2023/02/25 08:00


こんにちは。
面白い相談をいただいたので皆様にも共有します!

「キャッチコピーは
 どうやって作ればいいの?」


その人は文芸同人の世界で活動する同人作家さんです。憂鬱な詩をあつめて憂鬱を前面に出した詩集を出したのですが、どんな言葉で宣伝すればいいのか思いつかないそうです。

私は参考として
放送作家の鈴木おさむさんの話を紹介しました。


日経MJという新聞から彼が番組コンテンツの作り方についてインタビューを受けているという記事の中で話していたことなのですが、たとえば、TV番組のコンテンツを作る際には

「常識:奇抜=8:2」

の割合で考えると良いそうです。若手作家は奇抜に偏りすぎて周りの理解が得られないことが多い。そうなると協力も得られず、結局形にならない。そのため、この割合を意識するのが良い、と(曖昧な記憶ですが)。


この話は文芸の本の宣伝にも応用できます。
件の詩集は客層を「同人誌が好きな人たち」に決めて考えているようです。その題名は「憂と鬱のあいま」、その誌面は濃い青色で詩の文章を囲み込むようなデザインでした。私から見ると「憂鬱」っぽさを前面に出した題名や誌面自体が既に奇抜だと思いました。そのためキャッチコピー自体で個性を出す必要はない、なるべく奇をてらわずに、内容を説明するような言葉を選ぶように伝えました。

話し合った結果
4つほど候補が出ました。
今後が楽しみですね。

ちなみに、件の詩集は非常によくできた本でした。「憂鬱」というテーマのもと、文章から色、書体、わかりやすい題名など各要素が計画的に作られていました。このようにテーマがはっきりとした形の本は、キャッチコピーも考えやすくなるものです。


つまり
「良い本には良いキャッチコピーが自然と湧く」ということです。すごいことですよね。


実際、私は話を聞いただけで何もしていません。参考になりそうなそれっぽい話をしたら、あとは勝手に本人が考えていました。読んでいて面白かったなぁ。



追記

公開は終わりましたが
ここで件の詩集の紹介をいたしましょう。
ゆうや著『憂と鬱のあいま』という折本詩集になります。











2/25(土)〜3/1(水)に開催されたA4サイズの紙の祭典「ぺらふぇす2023」で公開されました。
オンラインのイベントになります。

もう期間は過ぎましたが、一応詳細のURLはこちらになります。どんなお祭りだったのか知りたい方はぜひご覧くださいませ。